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はだしのゲンの魂、川面に脈々 広島 原爆ドーム前で中沢さん追悼

 原爆の日を前に、広島市中区の原爆ドーム前の元安川で5日夜、昨年12月に73歳で死去した漫画家中沢啓治さんの写真と、代表作「はだしのゲン」の絵を川面に映し出す追悼イベントがあった。

 笑顔の中沢さんが、肩に白いハトを乗せた主人公に「生きろゲン!!」とエールを送る構図。午後7時半、ドーム対岸に据えたプロジェクターから水面に光が当たり、2人の映像がおぼろに浮かび上がった。同9時ごろまで、ドームの前身、広島県産業奨励館の画像と交互に投影された。

 原爆の日前夜に元安川をスクリーンにして映像を映し出す取り組みは、市民有志約20人が2004年から続ける。この日は、中沢さんの妻ミサヨさん(70)=中区=も川辺に立ち「ゲンは夫の分身。原爆の恐ろしさと平和の尊さを発信し続けてほしい」と祈るように話した。(門脇正樹)

(2013年8月6日朝刊掲載)

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