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岩国大空襲 犠牲者悼む 遺族や住民たち30人参列

 終戦直前の1945年8月14日にあった米軍による岩国大空襲の犠牲者を悼む慰霊祭が14日、岩国市麻里布町の麻里布自治会館であった。遺族や住民、市関係者たち約30人が参列した。

 参列者は、空襲が始まった午前11時15分のサイレンに合わせて黙とうした。実行委員会会長で麻里布地区自治会連合会の吉賀文俊会長(74)は「過去を忘れることなく未来を担う若者に語り継ぐことが、亡くなられた皆さまのみ霊を安らかにできる唯一の道」とあいさつ。会場の祭壇に一人一人が花を手向け、手を合わせた。

 市史によると、岩国駅周辺を無差別爆撃した空襲の被害は死者517人、行方不明30人に上った。当時、国鉄職員で爆撃の中を逃げたという同市藤生町の松村東一さん(91)は「多くの犠牲者がいた中でここまで生かしてもらった。平和でなければいけない。戦争はいけない」と話していた。(永山啓一)

(2021年8月15日朝刊掲載)

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