×

ニュース

米国人が追った被爆者 英会話講師がドキュメント映像 きょう広島で無料上映

 広島で被爆した母子を追ったドキュメント映像を、米国出身の英会話講師レベッカ・アービーさん(32)=名古屋市=が制作した。6日午前10時から、広島市中区大手町1丁目のギャラリーてんぐスクエアで無料上映する。

 タイトルは「That Day(あの日)」で約30分間。中区の原爆ドーム周辺でボランティアガイドをする胎内被爆者、三登浩成さん(67)=広島県府中町=の日常を追い、平和への思いに迫った。三登さんの母登美枝さん(95)が被爆体験を語る姿も収めた。

 アービーさんにとって初めての映像制作。日本で働き始めて2年目の2011年、夫のリチャード・ミロッコさん(35)と観光で広島を訪れ、三登さんにガイドを頼んだのがきっかけだった。「ひたむきに核兵器廃絶を発信し続ける姿に衝撃を受けた」という。

 それ以前、日本については第2次大戦中の加害の歴史に目が向いていた。インドネシア人の祖母が母国を占領した日本を「好きになれない」と繰り返し語っていたからだ。「憎しみを乗り越え、人類の平和を願う被爆者の姿を広めたい」と映像制作を思い立った。

 知り合いに紹介された東京の映像制作会社の助言を受け、昨年7月から広島に通って撮影を重ね、ことし5月に完成させた。ナレーションはミロッコさんが担当した。映像は20日以降、アービーさんの個人ホームページで無料で公開する。http://www.ThatDayFilm.com(新山京子)

(2013年8月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ