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きのこ会 支え合い確認 オンライン総会 75歳の4人近況報告

 原爆小頭症の被爆者と家族たちでつくる「きのこ会」が22日、広島市南区で今年の総会を開いた。この1年で75歳となった同市と横浜市の小頭症の被爆者4人、支援者の計約30人がオンラインを中心に参加。互いに近況を伝え、今後の支え合いを確認した。

 新型コロナウイルス感染拡大のため、小頭症の被爆者では川下ヒロエさん(75)=広島市東区=が唯一会場に出席。75歳を祝うケーキのろうそくの火をせんすであおいで消し、「毎日楽しいです。ごはんも自分で作っています」とほほ笑んだ。ほかの3人の被爆者もオンラインで近況を話し、横浜市の中井新一さん(75)は趣味の刺しゅうの作品を披露した。

 会場には、この1年に亡くなった小頭症被爆者の吉本トミエさんと坂本裕さんの遺影が置かれ、参加者は黙とうをささげた。坂本さんの次男で介護福祉士の裕二さん(47)=広島市西区=は「やさしい父で左官の仕事を一生懸命やって育ててくれました。この会に来るのが生きがいでした」としのんだ。

 小頭症は母親の胎内で強力な放射線を浴びたことが原因で発症し、多くが知能と身体に障害がある。きのこ会は1965年に結成され、小頭症被爆者の会員は現在14人。(水川恭輔)

(2021年8月24日朝刊掲載)

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