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軍都壊滅の実態学ぶ 広島経済大生ら現地で授業

 広島経済大(広島市安佐南区)の学生たちが24日、サッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(中区)で発掘された旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重兵補充隊(輜重隊)」施設の被爆遺構を見学した。「軍都広島」の歴史と、原爆による壊滅の実態を若者が学んだ。

 同大経済学科の竹林栄治准教授(55)が、軍馬を飼っていた厩舎の跡地前に立って解説した。「戦時中は馬が食糧や武器を運んだ。全てをトラックに置き換える財政状況にはなく、米軍との差は大きかった」と説明。写真を掲げ、被爆時の状況や、戦後に土が盛られて遺構が残った経緯にも言及した。

 輜重隊跡地の一角に残る「馬碑」で、学生たちは「海外の戦地から二度と戻らなかった馬を追悼する意味もある」との説明に聞き入った。4年生の正路悠(はるか)さん(21)は「軍都の街並みや被爆当時の様子を想像した。後世に伝えるため、遺構ができる限り残ってほしい」と話していた。

 今年で13回目となる教育ネットワーク中国の広域型単位互換授業「広島を学ぶ」の一環。コロナ禍のため県内に参加を絞り、広島市立大などを含めた計13人が参加した。(湯浅梨奈)

(2021年8月25日朝刊掲載)

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