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コロナ禍を生きる びんご若者群像 平和への活動広げたい 市立福山高3年 梶原百恵さん(17)=福山市坪生町

 「核兵器の恐ろしさを知るだけでなく、行動していかなくては」。市立福山高3年の梶原百恵さん(17)は力を込める。福山空襲や原爆被害を学ぶ市人権平和資料館の講座「ふくやまピース・ラボ」に4年連続で参加。新型コロナウイルス禍の中で、同世代と共に核兵器廃絶を訴えてきた。

 小学4年で訪れた広島市中区の原爆資料館でショックを受けた。同じころ家族から曽祖父の話を聞いた。20万人以上が犠牲になった沖縄戦に加わり、今も行方が分からない。戦争について次第に「知らなければ」と思うようになった。

 中学3年でピース・ラボに出合うと、学びを生かし、同世代の集いで意見を発信したり、核廃絶を促す署名活動にも力を入れたりした。昨年は高校生平和大使に就任。さらに飛躍するはずだったところ、コロナ禍が活動を阻んだ。

 他のメンバーと協力し、「私たちの言葉を世界に届けたい」とインスタグラムでの発信やデジタル署名活動を始めた。海外からの反応も届き、署名は1年間で約2千筆が集まった。ピースラボでも福山空襲が題材の本を朗読し、オンラインで発表した。「新しい継承の手段を考えるきっかけになった」と振り返る。

 9日は、もう一つの被爆地長崎で迎えた。被爆者の証言を聞き、胸にしみた。「現地で思いを共有することも大切にしていきたい」と気持ちを新たにした。(猪股修平)

(2021年8月26日朝刊掲載)

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