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広島市が方向性 中央公園7施設の再配置

 広島市は中央公園(中区)にある市有7施設の再配置の方向性をまとめた。中央図書館と映像文化ライブラリー、こども図書館を1カ所に集約して移転し、現在のこども文化科学館内に青少年センターを移すことが柱。ファミリープールの園外への移転や廃止も検討する。施設の老朽化が主な理由で、2022年2月ごろに具体案を示す。

 中央図書館は公園内外での移転・建て替えを検討する。現在も同じ建物内にあり、日本映画や音楽の資料を収集している映像文化ライブラリーに加え、今はこども文化科学館の中にあるこども図書館を併設する。移転先は、利便性の高いJR広島駅周辺も候補地とする。

 こども文化科学館は耐震化して残す方針。こども図書館が抜けたスペースに青少年センターを入れ、文化科学館の文化ホールを共同利用するなど施設の集約・複合化を進める。

 ファミリープールは老朽化や夏期限定の使用は非効率との観点から、園外移転や廃止を検討する。中央公園広場へのサッカースタジアム建設に伴い、建設用地にかかる中国庭園「渝華園(ゆかえん)」は、現在の中央図書館北側に移転する方針という。

 7施設は1966~92年に開設し、築29~55年がたっている。市は施設の更新に加え、両図書館を集約して使いやすくするほか、映像文化ライブラリーについては官民の役割分担の可能性を含めて総合的な見直しも検討する。中央図書館の跡地には音楽ホールなどの文化芸術施設の整備を探る。

 市は12年に中央公園の再整備案を示したが、同公園広場がスタジアム建設の候補地となったため練り直しに着手。有識者会議の意見を踏まえ、20年3月には「文化芸術」「こども」など五つのゾーンに分けて周辺施設を再整備する基本方針を示していた。

 再配置の方向性は2日の市議会都市活性化対策特別委員会で報告。関係団体や議会の意見を踏まえて具体案を練り、22年4月以降に可能な施設から順次進める方針でいる。(新山創)

(2021年9月1日朝刊掲載)

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