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広島大旧理学部1号館敷地 基準の8.7倍 鉛を検出

 広島市は31日、被爆建物の広島大旧理学部1号館(中区)の敷地の一部から土壌汚染対策法の基準値の最大8・7倍となる鉛を検出したと発表した。市は近く、建物を囲うフェンスの外側の汚染土壌をアスファルトで覆い、市民が触れないようにする。

 市は昨年度、旧理学部1号館の保存・活用に向けた基礎調査の一環で土壌を調査した。2004~07年にも当時所有していた国立大学財務・経営センターの調査で基準値を上回る鉛などが検出されていたが、その後の同法改正で、より表層部分の調査が必要となったため、あらためて調べた。

 市によると、敷地約6300平方メートルを60区画に分けて調べた結果、25区画で土壌含有量の基準値を超える鉛を検出。水銀やヒ素などの土壌溶出量も計11区画で基準値を上回った。

 基準を超えた区画のうちフェンスの外側にある部分計約330平方メートルをアスファルトで覆う。前川豊・市跡地整備担当課長は「理学部で使われた薬品との関係が類推される。現状でも直ちに健康に影響を及ぼす可能性は極めて小さいが、舗装をして口に入る経路を断つ」としている。(水川恭輔)

(2021年9月1日朝刊掲載)

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