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被爆者認定 早期改定を 「黒い雨」 原告ら、広島県・市に要請

 広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る訴訟で原告84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決の確定や政府方針を受け、原告団などは1日、原告以外の黒い雨被害者への被爆者健康手帳の交付に向けて早期に認定基準を改定するよう、広島県と広島市に申し入れた。

 申し入れ書では、「訴訟への参加・不参加にかかわらず認定し、救済できるよう早急に対応を検討する」とした首相談話を政府が閣議決定した点を踏まえ「速やかに必要な措置を講じるのが政府の責任」と強調。基準の改定を急ぐとともに、改定後すぐに認定できるよう、原告以外の被害者からあらかじめ申請を受理して審査を進めておくべきだと指摘している。

 この日、原告団の高野正明団長(83)たち5人が県庁を訪れ、県と市の担当者に申し入れ書を手渡した。高野団長は「私たちに残された時間は少ない。全ての黒い雨被害者を早急に救済してほしい」と訴えた。

 原告団などは8月31日、地元選出の国会議員を通じて厚生労働省にも同様の申し入れをした。(松本輝)

(2021年9月2日朝刊掲載)

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