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朝鮮半島へ渡った父の劇 福山の劇団 5日上演

 福山市の劇団ブルーベルは、戦前に広島から朝鮮半島へ渡った家族を描いた劇「月の街から」を5日、同市新市町の新市公民館で上演する。主宰者で松永高教員の新宮正一さん(55)が、3年前に亡くなった父親から聞いた話を基に脚本を書いた。

 呉市から半島に移った一家が朝鮮の人々と交流し、衝突する姿や終戦直後の引き揚げの様子も描く。劇中には、植民地支配下で新宮さんの父が目の当たりにした民族差別も登場する。

 2017年の旗揚げから参加し、現在は東京のプロ劇団で活躍する喜多村千尋さん(28)が民族間に生じる葛藤に悩むヒロインを演じる。「双方の視点で物語が進む。さまざまな立場から見て互いの気持ちに寄り添ってほしい」と思いを込める。

 午後1時、5時の2回。前売り1300円、当日1500円。22歳以下は千円。予約は名前、電話番号、希望の上演回、枚数をメールで送る。bluebell202102@gmail.com(猪股修平)

(2021年9月2日朝刊掲載)

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