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被爆遺構の施設着工 平和公園内 広島市、来春公開へ

 広島市は2日、現在の平和記念公園(中区)一帯に位置し、米軍の原爆投下で壊滅した旧中島地区の被爆遺構を公開する展示施設の整備に着工した。2022年3月の完成と公開を予定し、被爆前の街並みや原爆被害の実態を伝える。

 原爆資料館東館の北側の緑地帯に約80平方メートルの平屋を建て、19年の発掘調査で見つかった焼け落ちた建物の土壁の実物や炭化した畳のレプリカなどを展示する計画。この日は、業者の作業員が建設予定地にある樹木2本を伐採するため、枝を落とした。

 市は当初、被爆75年事業の一環で20年度中の公開を目指したが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期。21年度当初予算に整備費約1億2900万円を計上した。稲田亜由美・市被爆体験継承担当課長は「遺構の展示を通じて中島地区の人々の暮らしを奪った原爆の悲惨さを伝えたい」としている。(水川恭輔)

(2021年9月3日朝刊掲載)

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