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岩国に防衛試験施設 水中無人機を研究開発

 防衛装備庁艦艇装備研究所(東京)の水中無人機試験評価施設が、岩国市長野の通津沖工業団地に完成し、運用が始まった。警戒活動などができる無人機の研究開発に取り組む。5日、岸信夫防衛相らが訪れ、看板除幕と完成式があった。

 名称は「岩国海洋環境試験評価サテライト」。敷地3万平方メートルに、メインの鉄筋2階建ての試験棟を建設し、内部に無人機の性能を評価する大型水槽(縦35メートル、横30メートル、深さ11メートル)を備える。潮流や海底の地形状況を作り出すシミュレーション装置も2022年度に追加整備する。年内に無人機の試作機を持ち込み、職員らが11人体制でセンサーや運動性能の実験に臨む。

 同施設は海上自衛隊岩国基地から南に約10キロの場所。政府関係機関の地方移転の一環で16年3月に岩国市への整備が決まった。19年4月に着工し、総事業費は約200億円。完成式には、村岡嗣政山口県知事ら約50人が出席。岸防衛相は「防衛装備の強化や実用化につなげ、地域に寄与する産学官連携の拠点にもしたい」と話した。(有岡英俊)

(2021年9月6日朝刊掲載)

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