×

ニュース

懐かしの呉…駐留地再訪 英連邦占領軍の豪の元兵士8人

 戦後、呉市や近郊に英連邦占領軍として駐留したオーストラリア人元兵士8人が5日、同市を訪れた。大半が66年ぶりの来日。当時占領軍で運転手などとして勤めた日本人男性の案内で、ゆかりの地などを巡った。(小林可奈)

 86~90歳の8人は、占領軍で働いた佐藤康則さん(83)=同市宮原=の案内で、軍関係者の住居や子どもの学校などがあった同市広地区や呉港を訪れた。工場や道路が整備され、駐留時とは様変わりしたが、写真を撮ったり、見覚えのある風景を指さしたりしながら、感慨深そうに眺めていた。

 ハーバート・シャプコットさん(86)=ブリスベーン市=は「当時の日本人は貧しかったが今はそうした面影はない」。佐藤さんは「年月がたったことをあらためて感じた」と話していた。

 8人は1946年2月に船で呉港に到着。呉市や近郊で通信や輸送活動などに従事し、47年末に帰国した。

 呉市への訪問は、異文化交流活動に取り組むブリスベーン市の団体が企画。6人は66年ぶりの来日だった。

 一行は6日、広島市で開かれる平和記念式典に参列する。

英連邦占領軍
 オーストラリア、英国、インド、ニュージーランドで構成し、呉や江田島市に総司令部を置いた。1946年2月に進駐を始め、広島を中心に中四国を占領。英連邦の影響力強化や日本の武装解除を目的に、大久野島(竹原市)での毒ガス処理などに当たった。ピーク時は国内に約4万人(46年末)。サンフランシスコ講和条約が発効した52年4月まで存在していた。

(2013年8月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ