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中学生が被爆少年の詩朗読 福山で10日 下関の劇団が指導

 福山市木之庄町の城北中演劇部1、2年生11人が10日、広島で68年前に被爆した少年たちの詩を同市霞町のまなびの館ローズコムで朗読する。原爆詩人の峠三吉(1917~53年)たちが編さんした詩集「原子雲の下より」から抜粋した3編。(渡部公揮)

 「げんばくの雲にのっていったおとうちゃん」「ゆめにでもあってみたいおとうちゃん」、「お母さんが さびしいとよく言われる」「十万のいのちが あっと言うまになくなったのだ」―。原爆で家族を失った悲しみや、瞬時に市民の命を奪い遺伝子も傷つけた核兵器の非人道性を訴える。

 2月ごろ、公演で福山市を訪れた劇団はぐるま座(下関市)が、同校で演技指導したのがきっかけ。「作詩した子どもと同年代の中学生が読むことで、メッセージが強く伝わるはず」と、17日から同館である平和美術展の関連行事として開かれる朗読イベントへの出演を呼び掛けた。

 演劇部は先月10日から放課後に約1時間、息の合った発声ができるよう練習を重ねてきた。副部長の2年上田愛子さん(14)は「大切なものを奪われた子どもの無念さを思うと心が痛む。核兵器の理不尽さを伝えるためにも、一生懸命朗読したい」と話している。

 当日は、きのこ雲の写真に峠の詩を添えたパネル20~30枚も会場に展示。はぐるま座は峠の「原爆詩集」を朗読する。午後2時から。無料。劇団はぐるま座広島事務所Tel082(263)8264。

(2013年8月6日朝刊掲載)

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