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各国外相と被爆者対話 岸田氏意向 来春のNPDIで

 岸田文雄外相(広島1区)は6日、来年4月に広島市である「軍縮・不拡散イニシアチブ」(NPDI)外相会合で、参加国の外相と、被爆者や市民たちとの対話の場を設ける意向を示した。

 市の「被爆者代表から要望を聞く会」で明らかにした。NPDIは核兵器を持たない10カ国で構成する。岸田氏は「唯一の戦争被爆国として、核使用の惨禍を国境越えて語り継ぐ」と、各国外相に被爆体験に触れてもらう重要性を強調した。

 一方、4月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会で、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に日本が賛同しなかったことに被爆者団体から批判が出た。岸田氏は「基本的な考えは一致する。次回声明では同一歩調を取りたい」と従来の見解を繰り返した。

 被爆地選出の岸田氏は同会に先立ち、広島市の平和記念式典に参列。9日の長崎市の平和祈念式典にも出席する。外相が両市の式典に続けて出席するのは初めて。

 岸田外相は6日夜、東京都内の飯倉公館に、国連のイェレミッチ総会議長を招いて夕食会を開き、軍縮や核不拡散の取り組みなどについて意見を交わした。(野崎建一郎、坂田茂)

(2013年8月7日朝刊掲載)

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