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にじむ反戦 四国五郎展 廿日市 油絵など100点

 反戦や反核を訴えた画家、四国五郎(1924~2014年)の作品約100点を並べた企画展「平和へのメッセージ~シベリアからヒロシマへ~」が、広島県廿日市市下平良のはつかいち美術ギャラリーで開かれている。市などの主催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年遅れての開催となった。10月17日まで。

 シベリアに抑留された当時の記憶を基に、連行される捕虜や遺体を運ぶ様子を描いた油絵や、原爆で亡くなった弟の肖像画などを並べる。戦後に社会批判の絵と詩を組み合わせて制作し、ゲリラ的に広島市の街角に張り出したポスター「辻詩」も8枚展示。亡き子を抱えて泣き叫ぶ母や戦争の犠牲となった兵隊たちの骸骨を描いた作品もある。

 廿日市市阿品の主婦菊間みどりさん(59)は「どの作品も重いメッセージがあり、素通りできない。私も最近、初孫が生まれた。命の尊さを訴える作品は胸に響く」と見入っていた。

 無料。20日を除く月曜と21日は休館。

(2021年9月12日朝刊掲載)

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