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被爆68年 鎮魂の鐘 平和願う風船 笠岡でつどい 60人が祈る/岡山で250人 300個飛ばす

 広島に原爆が投下されて68年たった6日、岡山県内各地で原爆死没者の鎮魂式や慰霊行事があった。県内の被爆者は3月末現在で、昨年同時期に比べ109人減の1990人。平均年齢79.9歳と高齢化が進む中、参列者は被爆体験の伝承や核兵器廃絶運動の継続を誓った。(谷本和久、永山啓一)

 笠岡市笠岡のかさおか平和のひろばでは、市原爆死没者鎮魂式と平和祈念のつどいがあった。市原爆被爆者会など10団体でつくる非核平和都市宣言啓発実行委員会(土屋圭示委員長)が催し、被爆者10人を含む約60人が出席した。

 2012年度に亡くなった市内の被爆者4人の名前を発表。三島紀元市長は「原爆は多くの尊い命を一瞬に奪い去った。核兵器は人類の生存を脅かしている。死没者に哀悼の誠をささげ、核兵器のない平和な世界の実現を誓う」と強調した。参列者は祈念碑に白菊を手向け、鐘を鳴らした。

 19歳の時、勤務していた広島駅で被爆した同市横島の三宅浅野さん(87)は「多くの同僚が亡くなった。水を求め苦しみ、死んでいった人々の姿が忘れられない」と当時を思い起こしていた。

 市被爆者会の会員は現在68人。筒井守会長(84)は「被爆者の高齢化が進み、体験の記憶の風化が懸念される。恒久平和に向けた活動は続けたい」と訴えた。

 岡山市では、市職員労働組合が北区鹿田町の大供公園で平和を願うメッセージを付けた風船を飛ばす「ピースバルーン2013」を開き、市職員や市内の保育園児たち約250人が参加した。

 市原爆被爆者会の平末豊会長(82)が「世界に向けて核兵器廃絶の願いを飛ばしてほしい」とあいさつ。参加者全員で「世界の子どもたちが心豊かに平和な日々が過ごせますように」などと書いた風船300個を一斉に空に上げた。高谷茂男市長も「世界平和 心から祈念します」とのメッセージを寄せた。

 これに先立ち、市原爆被爆者会は原爆投下時刻の午前8時15分に、中区門田本町の市原爆死没者供養塔前で慰霊式を開き、約40人が参列した。

 倉敷市でも、市職員労働組合が市役所本庁と3支所で平和を願うメッセージを付けた風船を飛ばすイベントをし、計約300人が参加した。

(2013年8月7日朝刊掲載)

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