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邑南発「歩こう広島まで」 被爆者の思い引き継ぐ 被爆68年

 広島市で被爆した人が、島根県邑南町まで逃れた約70キロの道のりを逆にたどる4、5日の「歩こう広島まで」。参加者79人は家族や沿道の応援を受けて平和記念公園を目指した。

 広島県北広島町有田の休憩所。山口県職員福永竜臣さん(58)=山口市=に、次女の保育所職員橋本恵さん(30)=邑南町矢上=たち家族4人が弁当やお茶を持って訪れた。福永さんは「元気がもらえた」と最後まで歩いた。

 ルート沿いに住む北広島町石井谷、農業織田武夫さん(78)は、昨年に続き参加者へ「頑張ってください」と声を掛けた。「島根へ歩く被爆者を何人も見た。邑南の取り組みを応援したかった」

 ことしは、1988年に初回を企画し昨冬56歳で亡くなった田中庸三さんの遺志を継ぐ回になった。スタート地点で参加者を見送った妻の哲子さん(55)は「それぞれの思いを成し遂げてほしい」との思いを込めていた。(黒田健太郎、写真も)

(2013年8月7日朝刊掲載)

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