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防府に空自「宇宙作戦隊」 国内2ヵ所目 人工衛星への妨害監視

 防衛省は2022年度、防府市の航空自衛隊防府北基地に、日本の人工衛星への妨害行為を監視する「第2宇宙作戦隊」を新設する方針を固めた。宇宙作戦隊は府中基地(東京)に続き2カ所目で、西日本の拠点とする。山口県内では山陽小野田市で無人の宇宙監視レーダーの建設が進み、ともに23年度から本格的に運用する予定。宇宙関連で山口県の重要性が高まる。

 第2作戦隊は約20人の部隊で、電磁妨害状況把握装置を使い、人工衛星と地上の通信を妨害する電波の出どころや特性を調べる。防衛省が8月に公表した22年度の概算要求に盛り込まれた。妨害を把握する装置を車両で移動させることも想定し、東西に展開しやすい防府北基地を選んだ。第2作戦隊は宇宙監視レーダーを維持・管理する役割も担う。

 防衛省は米国や中国などが開発競争を繰り広げる宇宙空間の監視を強めるため、昨年5月、府中基地に初の宇宙の専門部隊として宇宙作戦隊を置いた。20人体制で23年度の本格運用に向けた準備や人材の育成に取り組んでいる。22年度中に「第1宇宙作戦隊」に改編する。

 第1、2とも増員し、計120人規模の「宇宙作戦群」とする計画で、群本部は府中基地に置く。(東聡海)

(2021年9月17日朝刊掲載)

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