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原告以外の手帳交付相談会 「黒い雨」訴訟弁護団 広島で50人参加

 広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る訴訟の広島高裁判決の確定や政府方針を受け、原告の弁護団などは19日、原告以外の黒い雨被害者を対象にした相談会を広島市中区の広島弁護士会館で開き、市内などから約50人が参加した。被爆者健康手帳の交付を求めて広島県や市へ集団申請する方針という。

 参加者は弁護士たちの助言を受けながら、手帳交付の申請書類に記入した。3歳だった1945年8月6日に安野村(現広島県安芸太田町)で、当時11歳の姉と散歩中に黒い雨に遭ったと訴える東区の主婦石津和子さん(79)は「これまで被爆した感覚はなかったが、判決を機に対象ではないかと思うようになった。いろいろな病気を患ったので一日も早く手帳を受け取りたい」と願った。

 同様の相談会は18日に安芸太田町でも開き、約30人が訪れた。両日の参加者は10月中旬に集団申請する方針でいる。

 広島高裁判決は黒い雨が国の援護対象区域より広範囲に降ったとし、放射線による健康被害が否定できなければ広く被爆者と認定すべきだとした。国は原告と同じ事情にあった人の被爆者認定を進めるため、認定基準となる指針を改定する方針を示している。(浜村満大)

(2021年9月20日朝刊掲載)

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