×

ニュース

NYでも核廃絶訴え 広島被爆68年 投下時刻に平和の祈り

 ニューヨーク・マンハッタンの宗教施設で5日、平和や核兵器廃絶を訴える式典が開かれた。約200人の参加者らは広島に原爆が投下された時間に合わせて「もう二度と繰り返さないで」と平和の祈りをささげた。 (ニューヨーク発 山本慶一朗)

 イスラムやユダヤ、ヒンズー教など多くの宗教家らが集結。13歳の時に広島で家族全員を亡くした被爆者のウエスト森本富子さんが原爆投下時刻を告げる鐘を鳴らすと、参加者は世界各国の旗を振りながら「ノーモアヒロシマ」「ニューヨークから始めよう」と合唱した。

 式典はニューヨーク仏教連盟会長中垣顕実さんが主催。参列したジェレミー・レイナーさん(29)は「(原爆投下は)恥ずべきことだが、忘れなければ二度と悲劇は起きないはず」と話した。

 この日は、原爆を開発した「マンハッタン計画」の中心となったニューメキシコ州ロスアラモスでも、同計画に携わった物理学者を父に持つ画家ベッツィ・ミラーキューズさんと、被爆2世の現代美術家田中勝さん(44)が共同作品展を開催。

 「人類と核兵器は共存できない」との思いが込められた作品は、田中さんの写真にミラーキューズさんのアクリル画を重ねて制作。田中さんは「核開発の中心地から人間の良心に訴えていきたい」と話した。

(2013年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ