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被爆体験記集 第55集を発行 新日本婦人の会県本部

 新日本婦人の会県本部(広島市東区)は被爆体験記集「木の葉のように焼かれて」の第55集を発行した。直爆や入市被爆、黒い雨で被爆した人たち12人の手記や聞き書きを収録。被爆の実態やその後の苦しみをつづっている。

 12歳の時、爆心から1.2キロの銀山町電停(中区)で被爆した吉川三智子さんは2歳の妹たちを亡くした。顔や首をやけどし、戦後も白内障やがんで苦しむ。人生を「涙ばかり」と表現し「二度とこのような苦しみを味わうことがないよう核兵器をなくさなければならない」と訴えた。

 「防火水槽にみんな入って立ったまま死んでいました」。千田町の広島赤十字病院(現広島赤十字・原爆病院)にいた当時16歳の徳本多恵子さんは、遺体を集めて焼く作業を手伝った体験などを語った。生後11カ月で被爆して40歳ごろに白内障となった女性、黒い雨を浴びて訴訟の原告となった被爆者の体験も載せた。

 手記集は1964年からほぼ毎年発行し、750人以上の手記を紹介。編集委員会の平岡澄代さん(70)は「核兵器はいけないとの強い思いが込められている。廃絶のため、体験を継承していきたい」と話す。

 B5判、74ページ。2300冊を印刷。1冊500円(送料別)で販売する。ファクスか電子メールで受け付ける。県本部ファクス082(263)0447。shinfujin-hiroshima@nifty.com(久保田剛)

(2021年9月27日朝刊掲載)

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