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締約国会議 なおも慎重 外務省 NGO連絡会と意見交換

 1月に発効した核兵器禁止条約を巡り、日本被団協や広島・長崎の市民団体が参加する「核兵器廃絶日本NGO連絡会」は27日、外務省の担当者とオンラインで意見交換した。連絡会側が、来年3月に開かれる禁止条約の第1回締約国会議へのオブザーバー参加を促したのに対し、外務省側はあらためて慎重な姿勢を示した。

 連絡会から被爆者や市民たち約20人が参加。同会が8月に開いた討論会で与野党の国会議員が締約国会議へのオブザーバー参加に前向きな姿勢を示したと説明し、検討状況を聞いた。

 外務省の海部篤・軍縮不拡散・科学部長は北朝鮮のミサイル発射などを挙げ、「厳しい現実の中で日本の平和と安全を保障する(米国の)核抑止力は不可欠」と強調。「禁止条約は核抑止力を否定している」としてオブザーバー参加は「慎重に見極める」と答えた。

 連絡会は、来年1月に予定される核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた施策も質問。海部部長は政府が例年10月に国連総会第1委員会(軍縮)に提出している核兵器廃絶決議案について「例年以上に内容の深掘りを目指す」とした。

 意見交換に参加し、終了後に記者会見した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の川崎哲(あきら)国際運営委員は「オブザーバー参加すら大変消極的に感じた。世論を盛り上げ、政治的なリーダーシップで変えていかなければならないと感じた」と述べた。(水川恭輔)

(2021年9月28日朝刊掲載)

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