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在日ウイグル人 弾圧の実態訴え 岩国

 イスラム教徒の少数民族が住む中国の新疆ウイグル自治区への人権侵害について考える講演会が26日、岩国市山手町の市民文化会館であった。在日ウイグル人たちが中国政府による弾圧の実態を明かした。

 約70人が参加した。日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ名誉会長(51)が「教育と訓練」の名目の下、300万~500万人のウイグル人が収容所で不当な拘束を受けていると説明。女性が中国人との結婚や不妊手術を強制されるほか、子どもは教育施設で中国文化を徹底的に学ばされていると訴えた。

 在日ウイグル人のムハラム・ムハンマドアリさん(28)は、イスラム学者の父が「騒乱挑発罪」で実刑判決を受け、自治区内の刑務所に収容された経緯を語った。4歳上の叔父も連絡が取れなくなっているという。「実家には監視のためカメラが備え付けられ、政府の人間も一緒に暮らしていた。家族がなぜ拘束されたのか理由が分からない」と苦悩をにじませた。

 講演会は、アジア自由民主連帯協議会中国支部の主催。岩国市議会は24日、ウイグル自治区での人権侵害について、日本政府が調査し中国に対し抗議するよう求める意見書を全会一致で採択している。(有岡英俊)

(2021年9月28日朝刊掲載)

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