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原爆の記憶映す広島の川 東京で写真展

 原爆の記憶を、写真を通して継承しようとする写真家高塚陽一さん(50)=神奈川県=の個展「川の記憶~ヒロシマ 今も忘れない」が東京・新宿のギャラリーで開かれている。

 テーマは広島の川。元安川、京橋川などに架かる橋や川底に並ぶ石、動きを止めた川面などに、あの日、川を見詰めた被爆者の気持ちを思い、写した写真39点を展示する。

 「戦後生まれで、原爆の問題を考えたこともなかった」と話す高塚さん。2004年に広島を初訪問。2度目に訪れた同年冬、広島の若者たちが原爆慰霊碑の前で一礼していく姿に「深いところに根ざす広島の心」を知り、記憶を伝えたいと通い始めた。原爆を見詰める写真展は4年ぶり、3回目となる。

 撮影にはデジタルカメラではなく、フィルムカメラを使い、自分で現像もした。「飛び飛びの情報を記録するデジタルでは、人の思いは焼き付けられないですから」。同展はコニカミノルタプラザで13日まで。(守田靖)

(2013年8月9日朝刊掲載)

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