ゲンに重ねる「原爆と子ども」 故中沢さんの妻 中区の企画展訪問
13年8月9日
漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さん(昨年12月に73歳で死去)の妻ミサヨさん(70)が8日、広島市中区の広島市立中央図書館で開かれている企画展「こどもたちの見たヒロシマ」に招かれた。原爆投下時の子どもたちの手記や詩に、焦土の広島を生き抜いたゲンの姿を重ね合わせた。
ミサヨさんは清水正剛館長の案内で、276点の資料を見て回った。原爆投下後、何日も帰ってこない両親を案じる中学生の詩に足を止め、「家族を一瞬で亡くした子どもは、すぐには現実を受け止められなくて当然。漫画の中のゲンもそうだった」と話した。
ミサヨさんは同級生の死をしのぶ文章に目を通し、「自分だけ助かったことが心に引っかかっている被爆者は少なくない。その気持ちが文章に表れている」と評した。
会場には、連載開始40周年を迎えたはだしのゲンの特別コーナーもあり、原画の複写などが並ぶ。ミサヨさんは「親子で訪れて原爆の悲惨さを感じてほしい」と呼び掛けた。企画展は9月1日まで。(新山京子)
(2013年8月9日朝刊掲載)
ミサヨさんは清水正剛館長の案内で、276点の資料を見て回った。原爆投下後、何日も帰ってこない両親を案じる中学生の詩に足を止め、「家族を一瞬で亡くした子どもは、すぐには現実を受け止められなくて当然。漫画の中のゲンもそうだった」と話した。
ミサヨさんは同級生の死をしのぶ文章に目を通し、「自分だけ助かったことが心に引っかかっている被爆者は少なくない。その気持ちが文章に表れている」と評した。
会場には、連載開始40周年を迎えたはだしのゲンの特別コーナーもあり、原画の複写などが並ぶ。ミサヨさんは「親子で訪れて原爆の悲惨さを感じてほしい」と呼び掛けた。企画展は9月1日まで。(新山京子)
(2013年8月9日朝刊掲載)