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中央公園の遺構 市民団体が見学 広島市へ署名提出も

 サッカースタジアム建設予定地の中央公園広場(広島市中区)で出土した旧陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊」施設の被爆遺構について、保存を訴える市民団体「加害の歴史から広島を考える会」が9月29日、現地説明会を開いた。約20人が参加し専門家の解説を聞いた。

 軍馬を飼っていた厩舎(きゅうしゃ)跡などが出土した発掘現場の東側エリアをフェンス越しに見学した。広島大の藤野次史名誉教授(考古学)が写真資料などを示し「軍施設の遺構として全国でも最大級」と指摘。広島の軍都としての歴史を伝える価値も高いとして「コストをかけてでも現地保存とスタジアム建設を両立することが、広島の平和発信に役立つのではないか」と問い掛けた。

 市は厩舎跡の一部などを切り取り、中央公園内の別の場所を候補に残す方針。同会世話人の多賀俊介さん(71)たち3人が30日に市役所を訪れ、撤去中止と保存の在り方の再検討を求める511人分の署名を提出。遺構の現地保存とスタジアム建設の両立などを求める陳情書も届けた。

(2021年10月1日朝刊掲載)

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