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原爆資料館56日ぶり再開 被爆者の絵など一部入れ替え

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言の解除を受けて原爆資料館(広島市中区)は1日、56日ぶりに開館した。この日に合わせて被爆者が描いた原爆の絵など一部の展示を入れ替えた。

 原爆の絵を常設展示する「絵筆に込めて」のコーナーでは全6点を差し替えた。燃えさかる炎の中、体中にやけどを負い、座り込んで動けなくなった友人、骨だけになった姉、顔にべっとりと血のりがついた妹…。6人の被爆者が生々しい惨状をクレヨンや色鉛筆、水彩絵の具で描いた。

 旅行で広島市を訪れたマレーシア出身の会社員ハヤティ・ムスタザさん(35)=川崎市=は「当時の悲惨な情景がよく分かる。同じ歴史を繰り返してはならない」と話した。

 感染拡大の第5波に見舞われる中、資料館は8月7日から9月30日まで臨時休館していた。再開後は通常通り午前8時半~午後6時に開き、入場制限もしない。原爆の絵は半年ごとに入れ替えており、今回の6点は来年2月14日まで展示する。(小林可奈)

(2021年10月2日朝刊掲載)

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