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学生ら核廃絶問題学ぶ 長崎大など主催 110人参加

 核兵器を持つ理由や背景を踏まえ、核兵器廃絶を考えるイベントが10日、長崎市の長崎大医学部良順会館であった。長崎県、市、長崎大でつくる核兵器廃絶長崎連絡協議会が主催。核保有国などの主張を学んだ上で、廃絶を進める根源的な意味を話し合った。

 大学生を中心に約110人が参加。長崎大の学生が、まず架空の核保有国と「核の傘」依存国、核兵器の廃絶推進国の立場に分かれ討論。核保有国は「核兵器があるから攻撃されない」、依存国は「周辺国が核兵器を持ち危険なので、即時廃絶に積極的に賛成しかねる」と主張した。

 これらの考え方を受けて、参加者はグループ討議。意見発表では「国同士はけん制し合えても、テロリストは使用をためらわない。即時廃絶しかない」「核の傘で守られているというのは幻想。廃絶こそ本当の安全」などの声が上がった。

 締めくくりで、長崎大経済学部3年の田平由布子さん(20)は「核兵器は絶対悪という常識をあえて外して、考えてみたかった。核抑止論などの『常識』もきっと変えられる」と呼び掛けた。

 飛び入り参加した田上富久市長は「若い人が動けば、今までになかった力を世界に与えられる。核兵器廃絶への確信を自分の中から少しずつ深めてほしい」と激励した。(藤村潤平)

(2013年8月11日朝刊掲載)

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