×

ニュース

加藤氏「事実確認せず」 8・6首相あいさつ原稿「のり付着」

 加藤勝信官房長官(岡山5区)は4日の記者会見で、菅義偉前首相が8月6日に広島市であった平和記念式典であいさつの一部を読み飛ばした原因を聞かれ、言及を避けた。当時、原稿にのりが付着してめくれなかったと政府関係者が説明したことについて「承知していない」と述べた。

 菅氏は、A4判用紙を蛇腹状に四つ折りしたものを7枚つなぎ合わせた原稿のうち、中ほどの2ページ分を読み飛ばした。政府関係者は当時、原稿をつなぎ合わせる際に使ったのりが予定外の場所に付着したことが原因だったと説明。その後、市民らが市に情報公開請求して原物を確認し、「のり付着の痕跡はない」と指摘した。

 加藤氏は、のりの付着は「報道ベースで流れてきた情報で、事実関係が確認されていない」と言及。調査しないのかと問われ、「政府として正式に言った記憶がない」として正面から答えなかった。読み飛ばし自体は「被爆者をはじめ、みなさんの心を大変傷つけてしまったことはしっかり受け止める」と語った。(境信重)

(2021年10月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ