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児童の絵・書 本川小に戻る 終戦後作品複製48点

 米国の教会に約60年間眠っていた、本川小(広島市中区)の児童による絵と書の複製48点が、同小に寄贈された。

 同小の児童による作品は、終戦から2年後の1947年にワシントンのオール・ソウルズ・ユニテリアン教会から届いた文房具や運動具のお礼として、同教会に贈られた。2010年夏、作品の一部が同小に「一時帰国」して展示会を開催。その際、同小の同窓会による展示会実行委員会の世良俊邦事務局長(66)が、教会から全作品の複製を預かり、保管していた。

 今回、「本川小で活用を」と寄贈が決まった。展示を仲介するとともに、経緯をドキュメンタリー映画にした米国在住の舞台芸術家重藤マナーレ静美さん(63)が、広島に来るのに合わせて同小を訪れた。

 「子どもたちの夢と希望が詰まった作品。教育の一環として使ってほしい」と重藤さん。石井淳之教頭(53)は「戦争という暗いイメージの中、当時の小学生が明るく頑張っていた姿を、子どもたちも感じられるはず」と喜ぶ。

 同小には、絵や書の作者に取材した内容などを基に重藤さんが書いた本「48色の夢のクレヨン ヒロシマからワシントンDCに届いた絵 日米平和の架け橋」も一緒に贈られた。(二井理江)

(2013年8月13日朝刊掲載)

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