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再発防止 「申し入れを」 米軍機 萩・石見空港緊急着陸 島根知事 中国四国防衛局に要請

 米軍岩国基地(岩国市)所属で米海兵隊のステルス戦闘機F35Bの2機が益田市の萩・石見空港に緊急着陸した問題で、島根県の丸山達也知事は「誠に遺憾」とし、米軍に再発防止を申し入れるよう中国四国防衛局に要請した。米軍側は燃料切れと理由を説明するが、飛行目的など詳細は明らかにしていない。

 緊急着陸は5日午後4時55分ごろ。2機はいずれも給油や安全点検を経て、6日午後0時10分ごろに同空港を離陸し、約20分後に同基地に帰還した。

 丸山知事は5日深夜、危険性が高いとして「県民の生命と安全を守る立場から誠に遺憾」とコメントした。県によると、空港が受け入れ可能かどうかの判断をする前に、米軍機が独断で着陸したという。国土交通省航空局には着陸前、乗員から連絡があった。

 岩国基地報道部は取材に「燃料がわずかとなったため、万が一に備え予防着陸した」と説明。「航空機に損傷はなかった」とした。

 2機は、事実上の空母化を進める海上自衛隊の護衛艦「いずも」で3日に四国沖で発着試験をした岩国基地の所属機と同型。目撃情報などによると、この2機は5日午後4時10分ごろに岩国基地を離陸しており、緊急着陸までの飛行時間はわずか約45分とみられる。

 軍事評論家の稲垣治氏(84)は「機体のトラブルがないのに、40分程度で燃料切れを起こすことは考えにくい。空港が軍事的に利用可能か確かめるために、着陸したと考える方が自然ではないか」と指摘。在日米軍基地の監視団体リムピースの頼和太郎編集長(73)も「燃料の残量を十分に確認せずに訓練を続けていたのなら、こんなに危ないことはない。もともと着陸予定地として想定していたのだろう」とみる。(高橋良輔、永山啓一、下高充生)

(2021年10月7日朝刊掲載)

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