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戦死者の名前刻む銘板 向島町遺族会 町出身の676人

 尾道市の向島町遺族会は、太平洋戦争で戦死した町出身の676人の名前を刻んだ銘板を製作した。同町の亀森八幡神社の忠魂碑に設置し、7日に慰霊祭を開いた。

 銘板は縦80センチ、横150センチのステンレス製。慰霊式には役員16人が参加し、神事を終えると、銘板に刻まれた肉親の名前を見つけ、写真に収めた。生まれる直前に父が戦死した林原透会長(76)は「名前が残ることで戦争の悲惨さを思い返すきっかけになる。慰霊祭を次の世代に引き継ぎたい」と話していた。

 遺族が少なくなる中、戦争の記憶を風化させまいと昨夏の戦後75年を機に製作を決め、戦死者の名前を1年かけて調べた。同神社にある350人ほどの位牌(いはい)には読み取りにくいものもあった。会員約120人に調査を呼び掛け、墓石を確認したり、会員以外の遺族を訪ねたりした。今春に役員宅の仏壇から同会が1972年に作った名簿が見つかり、調査が一気に進んだ。

 同会は、町出身の戦死者を調べ切れていないとみて、銘板に20人ほどのスペースを残し、情報提供を呼び掛けている。林原会長☎090(7593)7079。(森田晃司)

(2021年10月8日朝刊掲載)

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