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戦争の証人 異常なし 世羅町教委 防空監視哨を点検

 広島県世羅町教委は14日、戦時中に敵機の襲来を警戒していた「甲山防空監視哨」の状態を確認した。子どもたちの平和学習に時々活用しており、異常は見つからなかった。

 同町甲山の古城山(510メートル)山頂付近にあり、町教委社会教育課の林光輝主査(42)が壁や床などを撮影。周辺と近くにある記念碑を清掃した。

 監視哨は1942年に設置。コンクリート平屋約12平方メートルに2人ずつ2時間交代で終日入り、敵機を探した。45年8月6日は原子爆弾を投下する前のB29爆撃機エノラ・ゲイを発見して軍に報告している。

 元監視隊員の黒木実さん(88)=同町東上原=は「戦争を伝える貴重な遺跡として末永く保存するべきだ」と望む。建設時に資材を運んだ浅野智恵子さん(85)=同町西上原=は「平和学習で積極的に活用してほしい」と願った。(杉原和磨)

(2013年8月15日朝刊掲載)

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