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終戦の日 原爆・反戦詩 願い込め朗読 資料館

 68回目の終戦の日の15日、広島市内では、戦争と原爆の惨禍が二度と繰り返されぬよう平和を誓う集いや、戦没者を追悼する慰霊祭などがあった。

 「8・15原爆・反戦詩を読む市民の集い」が中区の原爆資料館東館であった。約50人が参加し、栗原貞子や原民喜たち広島ゆかりの詩人の作品を朗読したり、聴いたりした。

 ゲストの詩人伊藤真理子さん(74)=東京都=は、親交のあった栗原貞子(1913~2005年)から譲り受けた詩の直筆原稿を持参した。「昇天」「射程距離」など既に世に出ている4点で、うち3点を伊藤さんは感情を込めて読み上げた。

 参加者もそれぞれ、思い入れがある詩を朗読した。原民喜(1905~51年)の代表作を選ぶ人もいれば、自作の詩を披露する人も。ギターや三線(さんしん)を奏でて、反戦歌を合唱するグループもいた。

 広島文学資料保全の会と、広島花幻忌の会の主催で12回目。祖母と参加した矢野中1年の大谷月(るな)さん(12)=安芸区=は「大きな悲しみが詩から伝わってきた。戦争は絶対に繰り返してはならない」と話していた。(田中美千子)

(2013年8月16日朝刊掲載)

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