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社説・コラム

『想』 月山翔雲(つきやま・しょううん) 歌の力を信じて

 2010年から地元・広島で活動を始め、さまざまなイベントやライブに出演しました。音楽活動以外にもリポーター、司会、映画、ドラマ、コマーシャル、ナレーションなど幅広くチャレンジしてきました。

 多くのジャンルを経験する中で、新たな自分を発見するとともに、物事を見る視点や捉え方も変わってきたように感じます。中でも「歌」の持つ力の大きさを感じるようになりました。例えば、人との出逢(であ)いがきっかけで生まれたオリジナル曲が幾つかあります。

 漫画「はだしのゲン」がテーマの「メッセージ」は、8月6日の「原爆の日」前後に行われる平和朗読会で毎年歌わせていただいています。広島市内のある小学校では平和学習のほか、卒業式でも合唱してもらっています。チャリティーCDとしても販売もされ、収益は全て「はだしのゲン」関連の書籍などを小学校や施設に贈る費用に充てさせていただいています。

 昨年から観光大使を務める北広島町では、町のイメージキャラクター「花田舞太郎」のテーマソング「おいでよ!キタひろ」を手掛けさせていただきました。「町の活性化に」と作ったアップテンポな曲ですが、うわさでは、町内で知らない子どもはいないようです。(笑)

 移植医療への理解を深めてもらう活動に関わるようになって作ったのが「Life is colorful」です。友人の心臓病をきっかけに、移植医療のシンボルマーク「グリーンリボン」を知り、移植に対する意思表示の大切さや命の尊さを感じたのがきっかけでした。移植待機者や提供した家族の想(おも)いも、曲に込めています。

 誰かに寄り添い、誰かのために歌う―。いつしかそんな想いを胸に歌と向き合っていました。歌に出逢い、歌とともに成長をし、歌うことで笑顔が生まれる。歌に感謝しています。

 今月26日には初のアルバムリリース、そしてワンマンライブを開きます。日本、アジア、そして世界に翔(はばた)くアーティストを目指し、まだまだ走り続けます。(シンガー・タレント)

(2018年10月18日中国新聞セレクト掲載)

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