『想』 原田敏之(はらだ・としゆき) 水の都の市民レガッタ
19年7月18日
「水の都ひろしま」の初夏の風物詩として根付いた広島市民レガッタ(ボート競漕(きょうそう)会)は、昭和52(1977)年に太田川放水路で始まった。
41回目を迎えた今年は、5月19日に中国人留学生を含む、81歳までの老若男女約400人がオールを握った。
新緑薫る芝生の川辺では毎回、懸命にオールをこぐ人々を応援するグループが陣取る。そして、おのおの持参した色とりどりの弁当やバーベキューを囲みながら、水上で繰り広げられる白熱したレースや、好プレー、珍プレーに声援を送る。
平成15(2003)年には参加クルーの減少や競漕艇の老朽化などから、大会を休止せざるを得なかった。しかし、多くのご支援のおかげで翌年には再開を果たし、真新しい競漕艇もそろえることができた。
私たちボート協会は、OB団体や現役大学生選手とともに裏方として大会や事前練習会の運営を担っている。そこではボートをこぐ楽しさ、見る喜びを未経験の方にも味わっていただくことを一番の励みにしている。
一般の方を対象とした市民レガッタは、全国各地で開催されており、中国地区では岡山、松江、米子、福山にもある。
米子市民レガッタは昨年7月、50回大会を迎えている。実行委員会からは「中国地区の市民レガッタ優勝チームを招いた記念交流レースを催したい」とのことで、広島県内のチームも招待を受けたが、残念ながら大会直前の西日本豪雨による災害とその対応などで、広島市の優勝チームは出場辞退された。
一昨年は、海外6カ国と日本のボート愛好家16人が原爆ドームの前をスタートし、風光明媚(めいび)で波穏やかな瀬戸内海を尾道までこぎきった。出場者からは、自然豊かで平和を希求する広島を絶賛してもらえた。
こぐことも、見ることも楽しいボート競技は、自然や安全環境があって成り立つスポーツである。その恩恵を享受しつつも畏敬の念を抱きながら、全国や世界の仲間と交流を図り、普及と振興に努めていきたい。(広島県ボート協会副理事長)
(2019年7月18日中国新聞セレクト掲載)
41回目を迎えた今年は、5月19日に中国人留学生を含む、81歳までの老若男女約400人がオールを握った。
新緑薫る芝生の川辺では毎回、懸命にオールをこぐ人々を応援するグループが陣取る。そして、おのおの持参した色とりどりの弁当やバーベキューを囲みながら、水上で繰り広げられる白熱したレースや、好プレー、珍プレーに声援を送る。
平成15(2003)年には参加クルーの減少や競漕艇の老朽化などから、大会を休止せざるを得なかった。しかし、多くのご支援のおかげで翌年には再開を果たし、真新しい競漕艇もそろえることができた。
私たちボート協会は、OB団体や現役大学生選手とともに裏方として大会や事前練習会の運営を担っている。そこではボートをこぐ楽しさ、見る喜びを未経験の方にも味わっていただくことを一番の励みにしている。
一般の方を対象とした市民レガッタは、全国各地で開催されており、中国地区では岡山、松江、米子、福山にもある。
米子市民レガッタは昨年7月、50回大会を迎えている。実行委員会からは「中国地区の市民レガッタ優勝チームを招いた記念交流レースを催したい」とのことで、広島県内のチームも招待を受けたが、残念ながら大会直前の西日本豪雨による災害とその対応などで、広島市の優勝チームは出場辞退された。
一昨年は、海外6カ国と日本のボート愛好家16人が原爆ドームの前をスタートし、風光明媚(めいび)で波穏やかな瀬戸内海を尾道までこぎきった。出場者からは、自然豊かで平和を希求する広島を絶賛してもらえた。
こぐことも、見ることも楽しいボート競技は、自然や安全環境があって成り立つスポーツである。その恩恵を享受しつつも畏敬の念を抱きながら、全国や世界の仲間と交流を図り、普及と振興に努めていきたい。(広島県ボート協会副理事長)
(2019年7月18日中国新聞セレクト掲載)