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放射線解説書を改訂 初版から16年 次代へ 広島大の鎌田名誉教授

 広島大の鎌田七男名誉教授(84)が、放射線の影響や被爆の実態を分かりやすく解説した自著「広島のおばあちゃん」の改訂版を発刊した。初版から16年。世代や国を超えて読まれてきた同書を次代につなごうと、1年余りかけてデータを最新版に改めた。

 主に90問の「Q&A」で構成する。見開き2ページの左側は中高生向けで、放射能と放射線の違いや健康被害、2020年時点で生存する被爆者数などを紹介。被爆者の女性が広島弁を交えながら分かりやすく解説する。右側は社会人向け。左側に関連する内容を専門用語を交えて説明する。今年1月に発効した核兵器禁止条約の説明もある。

 B5判109ページで1320円。原爆資料館(中区)のミュージアムショップで販売しているほか、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部事務局でも注文を受け付ける。来春にはスペイン語版の出版を予定している。

 同書は05年、鎌田氏が理事長を務めていた広島原爆被爆者援護事業団の職員研修で用いたQ&Aを基に刊行された。英語、フランス語、ドイツ語版がある。鎌田氏は「幅広い世代の人たちに原爆被害について理解してもらいたい」と話す。同事務局(県医師会内)ippnw-japan@hiroshima.med.or.jp(小林可奈)

(2021年10月14日朝刊掲載)

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