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強制連行訴訟 呂さんの軌跡 中区16日

 戦時中に強制連行され、安野発電所(安芸太田町)の建設工事に従事した中国人が雇用主の西松建設(東京)に損害賠償を求めた訴訟で原告団長を務めた故呂学文さんの活動を振り返る集会が16日、広島市中区の広島弁護士会館である。主催する市民団体「広島安野・中国人被害者を追悼し歴史事実を継承する会」が参加者を募っている。

 同工事を巡っては、強制連行された360人が劣悪な環境で働かされ、29人が死亡した。呂さんは1993年に元労働者として初めて再来日し、同社に謝罪や賠償を要求。98年の提訴後には原告団長として尽力し、係争中の2003年に82歳で亡くなった。訴訟は09年に和解が成立した。

 集会では、呂さんが果たした役割についてニュース映像で振り返り、関係者が語り合う。会場と中国をオンラインで結び、遺族にも話を聞く。同会の川原洋子事務局長は「呂さんの闘いの軌跡をあらためて知ってほしい」と呼び掛けている。午後2時~4時半。500円。予約不要。同会事務局☎080(3880)8340。

(2021年10月14日朝刊掲載)

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