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戦争遺跡で平和学習を 倉敷でシンポ 国内外250人参加

 戦争遺跡の保存や活用策を国内外の市民団体メンバーが討議するシンポジウムが17日、岡山県倉敷市水島東千鳥町の水島愛あいサロンで始まった。同市の市民団体「亀島山地下工場を語りつぐ会」の村田秀石(しゅうせき)事務局長(46)は、戦闘機部品製造場だった工場跡について「平和学習の教材として後世に残し、まちづくりへ活用したい」と強調した。

 戦争遺跡保存全国ネットワーク(47団体、長野市)や、地元の団体でつくる実行委員会が主催。国内外から約250人が参加した。

 村田事務局長は、総延長約2千メートルの県内最大級の戦争遺跡、亀島山地下工場跡について「崩落が進んでおり、市に安全対策をして部分公開を求めている。観光拠点として残そうという動きも広がっている」と話した。

 またドイツのV2ロケット地下工場跡にあるミッテルバウ・ドーラ強制収容所記念館のイェンス・クリスチャン・バーグナー館長(47)が講演。工場建設に携わった政治犯たち約2万人が、過酷な労働で亡くなった事実を報告し「最新兵器の工場跡ではなく、巨大な墓地」と語気を強めた。

 シンポは19日まで。18日は各市民団体のメンバーが取り組みを報告。19日には亀島山地下工場跡を見学する。(中井幹夫)

(2013年8月18日朝刊掲載)

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