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被爆者証言集、原発事故機に11年ぶり復刊 東京都町田

 東京都町田市で被爆者の支援活動などを続ける「町友(まちゆう)会とともに生きる会」が、被爆者と福島第1原発事故の被災者の証言集「ひばくのこころでシリーズ7」を発行した。証言集は2002年で途絶えていたが、世代交代や原発事故などを機に11年ぶりに復刊した。

 A5判、64ページ。市内の被爆者団体「町友会」に所属する4人と、福島市から町田市に避難している女性たち3人の計7人分を収録した。被爆体験や現在の体調、低線量被曝(ひばく)への不安などが率直に記されている。

 証言集は、本間美智子代表(70)たちが会を結成した翌年の1989年に第1号を発行した。会員は約30人いるが、運営を担う世話人が転居で退会し、高齢化で手記を書く被爆者が減るなどしたため、02年の第6号で中断していた。

 転機は11年、市職員の影山愛子さん(30)たち若者2人が入会したこと。地域の講座で被爆体験に触れたのがきっかけだった。被爆者の聞き取りができる態勢が整ったのと、福島第1原発事故が引き金となり「新たな証言集を今こそ読んでもらおう」と復刊を決めた。

 本間さんは「若い人が声を掛けてくれ、うれしかった。続けてきてよかった」。影山さんは「もっと多くの被爆者と知り合い、話を聞きたい」と意気込む。1部500円。本間さんTel044(987)4785。(藤村潤平)

(2013年8月19日朝刊掲載)

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