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校長会で閲覧制限を再要請 「はだしのゲン」で松江市教委 今年1月

 島根県松江市教委が漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を小中学校に要請していた問題で、対応が徹底されていないとして、市教委がことし1月に再度、制限を求めていたことが19日分かった。

 市教委の閲覧制限への強い意向がうかがえるとともに、複数校が要請を受け入れなかった事実が明らかになった。昨年12月17日の最初の要請後は校長の判断で制限を見送ったが、再要請を受け、市教委の判断に従った学校が複数あった。

 市教委によると、1月9日に中学校、同10日に小学校を対象に開いた校長会で「要請を徹底するよう」口頭で求めたという。

 この校長会で一部から「ゲン」の価値を高く評価し、子どもに自由に読ませるべきだとの意見が出たという。市教委は当初の要請時と同様「暴力的で過激な描写があり、子どもの教育上ふさわしくない」と強調。閉架と貸し出し制限を求めた。

 市教委によると、当初の要請後、学校図書館の司書から「閲覧制限していない学校もあり、現場は混乱している。統一してほしい」との要望があった。当時の福島律子教育長と担当者が協議し、再要請を決めたという。

 市教委は当初の要請について今月16日、「閲覧制限は最終的には校長の判断。従わない自由もある」としていた。(樋口浩二)

(2013年8月20日朝刊掲載)

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