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平和の意義問うきのこ雲版画 廿日市で殿敷侃展 油絵や版画70点

 原爆を題材に制作に取り組んだ広島市中区出身の美術家殿敷侃(ただし)さん(1942~92年)の作品展が、廿日市市下平良のはつかいち美術ギャラリーで開かれている。9月1日まで。無料。

 殿敷さんは3歳で入市被爆した。肝臓がんのため50歳で亡くなるまでに手掛けた油絵や版画など約70点を展示している。被爆死した父と8歳の時に亡くした母への思いを込め、遺品の衣類などを描いた点描画や細密な銅版画、原爆のきのこ雲を並べた10枚組みのシルクスクリーン版画が並ぶ。

 市と市文化スポーツ振興事業団の主催。廿日市市の元山延子さん(73)は「丁寧に描かれた作品一つ一つに、作者の平和への強い思いを感じる」と見入っていた。月曜日休館。(村上和生)

(2013年8月20日朝刊掲載)

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