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中国電、今夏最大需要1100万キロワット 盆明け工場再開で供給余力100万キロワット割る

 中国電力のピーク時電力需要が20日、1100万キロワット(速報)となり、今夏の最大を12日ぶりに更新した。東日本大震災後、初めて1100万キロワットの大台に達した。記録的な猛暑で冷房の使用が増え、お盆明けで工場の操業再開も加わった。供給余力は100万キロワットを割り込み、需給は厳しさを増している。

 20日のピークは午後2時台に発生した。中国地方はこの日、呉市や府中市、岩国市など21地点で今夏の最高気温を記録。今夏で最大だった8日のピークの1092万キロワットを8万キロワット上回った。

 島根原発(松江市)が停止中の中電は、火力発電所をフル稼働している。20日は九州電力に40万キロワットを融通送電した上で、1188万キロワットの供給力を確保した。余力を示す予備率は8・0%で、何とか安定ラインを守った。

 供給力から需要を差し引いた20日の余力は88万キロワットにとどまった。19日も74万キロワットで、中電が動かせる最大出力の三隅火力発電所(浜田市、100万キロワット)がトラブルで止まると供給力が足りなくなる恐れもある。

 中電の過去最大のピーク電力は2007年8月の1229万キロワット。08年と10年の夏も1200万キロワット台を記録したが、震災後は節電意識が高まり1100万キロワットを下回っていた。中電は21~23日もピーク電力を1090万~1100万キロワットと予想。試運転中の発電所の出力も高め、供給力を増やす。(山瀬隆弘)

(2013年8月21日朝刊掲載)

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