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「対話重ね核軍縮進展を」 NPT再検討会議準備委のモレイ議長 日本に中心的役割期

 2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた来年の第3回準備委員会で議長を務めるペルーのエンリケ・ロマン・モレイ国連代表部常駐代表(67)が21日、広島市を訪れ、中国新聞の単独インタビューに応じた。「各国の立ち位置や国益は異なるが、あらゆる国と対話を重ね、核軍縮の進展を図る。一歩ずつ前進させることが大切だ」と意気込みを語った。

 第3回準備委は来年4月28日から2週間、米ニューヨークで開かれる。再検討会議の議題をまとめる重要な会合だ。

 ロマン・モレイ氏は中南米での核兵器の製造や保有などを禁じるトラテロルコ条約の実行機関の事務局長を務め、キューバを加盟させるなど手腕を振るった。「核抑止力を信じることは核兵器の存在を認めること。私はこの考えを認めない」。核兵器廃絶を最終ゴールと見据える。

 ことし4月の第2回準備委では、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」が出され、70カ国以上が賛同した。この動きを「全面支持する」と歓迎。日本が署名を拒んだ背景を「北朝鮮や中国の存在が念頭にあるのではないか」とみる。

 それでも、被爆国日本の役割に期待を寄せる。「日本は世界のどの国より、核兵器廃絶を訴える力と権利がある」と指摘。「核軍縮の中心的な役割を担うべきだ。協力は惜しまない」と述べた。(田中美千子)

(2013年8月22日朝刊掲載)

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