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原爆供養塔に安置 旧制広島二中慰霊碑の遺骨 保存会高齢化 市に依頼

 広島市は25日、中区中島町の本川河岸にある旧制広島二中(現観音高)の原爆慰霊碑に納められていた遺骨を平和記念公園(中区)の原爆供養塔で引き受け、安置したと発表した。碑を管理してきた広島二中慰霊碑保存会が会員の高齢化を受け、将来へ確実に引き継ぐため市に依頼した。

 市によると、遺骨は幅13センチ、高さ15センチの骨つぼ一つに入っていた。保存会が2014年に慰霊碑の台座を修理した際、碑のそばにある拝み石の下に納められているのを見つけた。慰霊碑に納められた詳しい経緯は分からず、遺骨の名前や人数は分からないという。

 観音高の卒業生で保存会の大森真事会長(76)=中区=たちが22日、供養塔前を訪れ、市に遺骨を引き渡した。大森会長は「遺族が泣き泣き拾い集めた遺骨だろう。供養塔で安置してもらい、将来の後輩たちには二中慰霊碑とともに参ってほしい」と話す。供養塔を管理している広島戦災供養会の畑口実会長(75)は「責任を持って安置し、供養をしていく」とした。

 1945年8月6日、二中1年生は現在の慰霊碑がある辺りでの建物疎開作業に動員され、集まった1年生は全滅した。碑は61年に建立され、1年生323人を含む生徒・教職員計354人の名前を刻んでいる。(水川恭輔)

(2021年10月26日朝刊掲載)

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