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松江市教委に閲覧制限の撤回要請 「はだしのゲン」で島根県の11団体

 松江市教委の「はだしのゲン」の閲覧制限問題で、島根県内の教職員組合など計11団体が21日、市教委に閲覧制限の撤回を相次いで申し入れた。

 市民団体「フォーラム平和・人権・環境しまね」(杉谷肇代表)は、市役所で県高教組など4教職員組合と連名の要請書を提出。憲法で保障された知る権利が脅かされると批判。教育委員会議に諮らず市教委事務局が単独で決定した経緯に疑問を呈した。

 また、県教組は「学校図書館に供する本は、外圧で左右されるのでなく、現場の良識を尊重するべきだ」とし、2学期始業までに「良識ある判断による事態収拾」を求めた。

 原水爆禁止島根県協議会(県原水協)や新日本婦人の会松江支部など4団体は「ゲン」が「平和の大切さを学べ、強く生き抜く姿に勇気づけられる」と作品の長所を訴えた。ほかに1団体も申し入れた。

 対応した安部隆副教育長は「閲覧制限を決めた過程には問題があった」と認めた。22日の教育委員会議で閲覧制限の是非が議論される見通しだが「(制限)撤回の可能性はあるが、教育委員は白紙から議論する。事務方は何も言えない」と述べるにとどめた。(土井誠一)

(2013年8月22日朝刊掲載)

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