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中国電、関電に今夏初の融通 予備率は震災後最低の4%に

 中国電力は22日、今夏初めて関西電力へ電力を融通した。猛暑と発電所のトラブルで電力不足の懸念が生じた関電の緊急要請に応じ、ピーク時に20万キロワットを送った。中電、関電とも電力需要は今夏の最大を更新。中電の供給余力を示す予備率は4・0%と東日本大震災後で最低になった。

 電力会社には、需給が厳しいときに融通し合う取り決めがある。これに基づき関電が緊急融通を依頼したのは震災後で初めて。中電など4社に依頼した。中電は「西日本全体で需給が厳しい。管内の安定供給を前提に、他電力からの依頼には可能な範囲で協力していく」としている。

 中電のピーク電力の更新は3日連続。午後2時台に1112万キロワット(速報値)を記録した。関電に加え九州電力にも40万キロワットを送った結果、予備率は最低限必要とされる3%に迫った。

 関電の最大電力需要は2816万キロワット(同)を記録した。出力90万キロワットの舞鶴発電所1号機(京都府舞鶴市)がトラブルで停止中。さらにこの日、別の出力60万キロワットの発電所で取水口近くのフィルターに貝が詰まり、出力を約30万キロワットに絞った。予備率は融通を受けた上で4・1%だった。23日は舞鶴1号機をフル稼働させて供給力を確保する。

 中電は23日に1080万キロワットのピーク電力を想定。管内の供給力は1191万キロワットを確保している。(山瀬隆弘)

(2013年8月23日朝刊掲載)

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