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放射線事故の備え議論 広島であす 災害医学会が初総会

 原発事故に備えた防災のあり方を考える「日本放射線事故・災害医学会」の初の総会が24日午前10時から、広島市中区の広島国際会議場である。東京電力福島第1原発事故で医療・救急の現場が混乱した経験を踏まえ、組織的な被曝(ひばく)医療体制づくりを議論する。

 学会は、1997年から続く研究会を発展させ、ことし7月に会員約200人で発足した。被曝医療と救急部門の連携は広島大に実績があるため、広島を初回の開催地に選んだ。福島原発事故直後に、広島大の緊急被ばく医療チームの団長として現地に駆け付けた、広島大病院高度救命救急センター長の谷川攻一教授が初回の会長を務める。

 谷川教授は、原発事故による避難中に入院患者約60人が死亡したことを悔やみ「被曝医療に災害の観点が抜け落ちていた」と指摘。組織的な医師派遣や、放射線監視装置を全国から調達する体制づくりなどを念頭に「オールジャパンでできることを議論し、提言にもつなげたい」と話す。

 総会では、福島原発事故の対応をパネル討議で検証。原発のある島根、福井両県の行政、医療関係者を交えて被曝医療や避難の体制づくりを話し合うシンポジウムもある。一般参加は3千円。(馬場洋太)

(2013年8月23日朝刊掲載)

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