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COP26で役割強調へ 衆院選会見 岸田氏、英へ初外遊

 自民党総裁の岸田文雄首相(広島1区)は1日、衆院選を受けて党本部で記者会見し、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合に出席するため2日に英国へ出発すると明らかにした。就任後初の外国訪問で温室効果ガス排出量の実質ゼロ実現に向けた存在感をアピールする。今月前半までに新型コロナウイルス対応の全体像を示すと表明。中旬には大型の経済対策を取りまとめ「年内のできるだけ早期に補正予算を成立させる」と意欲を示した。

 衆院の常任委員会の全委員長ポストを独占し、委員の数でも野党を上回る絶対安定多数の261議席を自民党単独で得たことについて「身の引き締まる思い。今後はスピード感を政策実行の面で発揮する」と強調。一方で「党に厳しい声も寄せられたことは厳粛に受け止めなければならない」と述べた。

 その上で首相は新型コロナ対策について「これまでの対応を徹底的に検証し、感染症の危機管理のための司令塔組織創設に取り組む」と語った。補正予算には困窮世帯への現金給付を盛り込むと明言。新しい資本主義を起動する取り組みとして、経済成長に向けたデジタル技術の活用や賃金引き上げを促す税制、補助金の導入も訴えた。

 外交安全保障で「首脳外交を積極展開する。米国をはじめ同盟国や同志国には可能な限り早期に直接訪問する」と意気込んだ。憲法改正について「与野党の枠を超え、発議に必要な国会の3分の2以上の賛成を得られるよう議論を深める」と強調。第3党に躍進した日本維新の会との関係は「同じ保守勢力であることも踏まえ、政策ごとに是々非々で議論する」とした。

 森友学園問題や参院選広島選挙区の大規模買収事件などに関して「必要ならば政治の立場で説明するのが大事だ」と述べたが、再調査には言及しなかった。(下久保聖司、樋口浩二、中川雅晴)

(2021年11月2日朝刊掲載)

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